罰せられるのは経営者

雇用か?請負か?リスクを学ぶ

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▲会場にかけつけた受講者の皆さん。スライドと資料を見ながら熱心に受講。

 

業界あげて対策が進む「社会保険未加入問題」。4月からの「現場排除」に続き、10月からは、元請へのペナルティ(制裁金・指名停止・評点減点)が始まっています。さらに、年金機構の立入検査も強められており、公共工事や大手との取引がない事業所でも対応が急がれています。10月19日(木)、建設ユニオン本部会議室で、経営セミナーを開催。組合未加入事業所10者を含む、総勢50人が参加しました。

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▲業務委託契約書の実物を示しながら説明する、櫻井好美先生。

組合は事業主も支援する

主催者を代表して菅原中央執行委員長より「建設ユニオンは、建設労働組合ですが、事業主の方々も加入しています。事業主の支援を通じて、建設業界の発展をめざしています。労務管理は、事業主にとっても、労働者にとっても必要なこと。講演をぜひ経営に生かしていただきたい」と挨拶がありました。

岡田書記長からの、この間の社会保険適用の動き、キャリアアップシステムなど、今後の建設政策や業界の動向などについて基調報告の後、特定社会保険労務士櫻井好美先生による『これだけは知っておきたい労務管理』と題した講演が始まりました。

罰せられるのは経営者

「人を使う際、雇用契約なのか、請負契約なのか、グレーの人たちが非常に多いのが建設業。でもね、『法の不知はこれを許さず』と言いますが、知らなかったでは済まされない。結局、罰せられるのは経営者の皆さんなんです」。やさしい口調ですが、ドキリとする厳しい内容が語られます。

雇用か?請負か?対策を

「雇用と請負をきちんと区別すること。労務上のリスク、税務上のリスク、法定福利費の発生、大きく3つのリスクがあり、このリスクを回避するために、雇用と請負とで、それぞれ対策が必要です。それを今日は学びます。」

講演では、「有期雇用」と「無期雇用」のそれぞれの雇用契約書や業務委託契約書の実物を紹介。有期雇用で雇った社員を、無期雇用に転換することで、57万円の助成金が受け取れる「キャリアアップ助成金」の紹介など、お得情報も。業務委託契約書は、「税務調査で、必ず突っ込まれる道具の扱いなどを考慮して作りましたので、参考にして下さい」と、豊富な実例に基づいた、役に立つ情報が満載のものとなりました。

若者獲得の採用戦略も

「現在の人材不足は、建設業に限ったことではありません。2012年には団塊の世代が65歳の定年を迎え、2027年には介護時代を迎えます。働き盛りの団塊ジュニアが『介護離職』する危険性も。若者を獲得するために、二つのコースを整備した設備屋さんがいます。『かせぐだけかせげるコース』『週休二日のコース』。多くの採用ができるようになった。今後は、採用戦略も必要になるかもしれません」と講演を結びました。

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▲3人の社会保険労務士の先生に、個別相談をお願いしました。「うちの雇用契約書はこれだけど、問題はありませんか?」「ここがトラブルの原因になりますよ」具体的な相談が持ち込まれました。

社労士3人で個別相談

第二部は、事前申し込みのあった事業所を対象に、個別相談会も開催。三人の社会保険労務士の先生にお願いし、相談にのっていただきました。

「変動労働時間制について知りたい」「就業規則の作成はどうすればいいか」「外注先と結ぶ契約書はどうするか」「外国人技能実習生を雇うための手続き」など、それぞれの事業所から具体的な質問が寄せられ、アドバイスが行われました。個別相談以外でも、会場のあちこちで、各地域を担当する書記局が、参加者した方の相談に対応しました。

組合では、今後も経営セミナーを開催し、新しい情勢に対応するための研修を重ねていきます。ぜひご活用下さい。